今回は、育毛剤の成分について詳しく解説していきます。
育毛剤を買うときなどに、
「育毛剤に入っている成分ってどんなもの?」
「注意が必要な成分を知って、自分の体質に合うか確かめたい。」
と思うことはありませんか?
育毛剤って、自分の頭皮に直接塗るもの。
どんな成分が入っているかきちんと確認してから使用したいですよね。
そんな皆さんのために、育毛剤の有効成分・その他の成分・注意が必要な成分を徹底解説します。
この記事を参考にしながら、是非持っている育毛剤や購入検討中の育毛剤の成分表を見て確認しましょう!
この記事の目次
育毛剤に入っている成分
まず始めに、育毛剤には実際どんな成分が入っているのかをザックリと説明します。
育毛剤は、今ある髪を育てることを目的としている医薬部外品で、
そのような効果があるとされる成分が含まれています。
良く混同される「発毛剤」は、今ない髪を生やすことを目的とした医薬品で、
育毛剤とは違った成分が含まれており、一般的に副作用が出る可能性も高いと言われています。
この記事でご紹介する育毛剤の成分は、注意が必要なものもありますが、
発毛剤よりは比較的安全で幅広い方に使っていただけるものです。
育毛剤の成分には、有効成分とその他の成分があります。
主に育毛剤本体に記載されていることが多いのは有効成分です。
その他の成分は特に製品によって違いがあり、副作用などが出る可能性のある成分も含まれています。
それでは、育毛剤に含まれる成分を一覧で見てみましょう。
<育毛剤の成分一覧>
あ行 | アスコルビン酸(ビタミンC/ビタミンC誘導体)/アセチルグルコサミン/アセチルデカペプチド-3(リジュリン)/アセチルテトラペプチド-3, アカツメクサ花エキス(キャピキシル)/アルニカエキス/アロエエキス/イオウ/イソプロピルメチルフェノール/イチョウ葉エキス/イラクサエキス/ウメエキス/エチニルエストラジオール/エビネエキス/M-034 (海藻エキス(1), 褐藻エキス)/Ⅼ‐アルギニン/L-システイン/l-メントール(メントール)/オウゴンエキス/オウバクエキス/オランダカラシエキス | ||
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か行 | カキタンニン/カシュウ/加水分解F-フコイダン/加水分解エラスチン/カワラヨモギエキス/キナノキ樹皮エキス/グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルレチン酸)/クロレラエキス/ココナッツオイル/ゴボウエキス/コメヌカエキス/コンドロイチン硫酸ナトリウム | ||
さ行 | 酢酸トコフェロール/サクラ葉エキス/サンショウエキス/ジオウエキス/シスチン/シナノキエキス/ジフェンヒドラミンHCI/ショウブ根エキス/シラカバエキス/水溶性プロテオグリカン/ステモキシジン/セイヨウアカマツ球果エキス (マツエキス)/セイヨウキズタエキス/セファランチン/センキュウエキス/センブリエキス/ソウハクヒエキス | ||
た行 | チクセツニンジン/チャエキス(緑茶エキス)/チョウジエキス/チンピエキス/ツバメの巣エキス/ティーツリー油/トウガラシエキス/トウキエキス/冬虫夏草エキス/トウニンエキス/トコフェロール (ビタミンE)/トランス-3,4-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン(t-フラバノン)/トリペプチド-1銅 | ||
な行 | ナイアシンアミド (ニコチン酸アミド)/ニンニクエキス/ノコギリヤシ | ||
は行 | パントテニルエチルエーテル/ヒオウギエキス/ビオチン/ヒキオコシ葉 / 茎エキス/ビタミンA油/ヒトオリゴペプチド-21 (IGF)/ヒノキチオール/ピリドキシンHCI/ピロクトンオラミン/ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド (ピディオキシジル)/ビワ葉エキス/プラセンタエキス/ペンタデカン酸グリセリド/ボタンエキス/ホホバ~(ワックス、油)/ポリリン酸Na | ||
ま行 | ミレットエキス/メチオニン/モモ葉エキス | ||
や行 | ユーカリエキス/ユキノシタエキス/ユッカグラウカ根エキス | ||
ら行 | リシン/ローズマリーエキス/ローマカミツレ花エキス/6-ベンジルアミノプリン |
これらは、育毛剤に使われる成分を網羅的に示したものです。
全てが一つの製品に入っているとは限らず、次に述べる有効成分として全てに承認が降りているではありません。
あくまでも自分の育毛剤に入っているものをチェックする際の参考にしてください!
さてから、以下からこれら育毛剤の有効成分やその他の成分について詳しく解説していきます!
育毛剤の有効成分
そもそも、有効成分とは何なのでしょうか。
先程も述べた通り、育毛剤は「医薬部外品」です。
医薬部外品とは、その製品に期待される効果として、医薬品医療機器等法に基づいて承認を得た成分を含む製品のことです。
つまり、育毛剤の場合は育毛の効果が期待されると承認を得た成分が含まれているということになります。
この、その製品において「効果が期待されると承認を得た成分」のことを有効成分と言います。
育毛剤の有効成分は、その効果の種類で以下の3つのタイプに分けられます。
- 育てる成分
毛髪を強く太く育てる効果が期待される成分 - 防ぐ成分
薄毛になることを防止する効果が期待される成分 - 整える成分
育毛の基本となる、頭皮環境を正常に整える効果が期待される成分
ここから、それぞれに具体的にどのような効果があり、どんな成分があるのかを解説します!
育てる成分
この成分は、今ある髪を強く太く育てるのを助けます。
そもそも、毛髪は「毛母細胞」という毛根にある細胞から作られ、毛細血管により栄養を貰いながら成長します。
人が歳を重ねるにつれ、次第にこの毛母細胞の動きが鈍くなり、毛細血管の流れが遅くなるため薄毛の原因になります。
この過程に働き、薄毛になることを予防することが出来るのが「育てる成分」なんです!
この働きは、主に
①毛母細胞を活性化させる ②毛母細胞の成長を助ける ③毛細血管の流れを良くする
3つに分けられ、それぞれが働くことにより効果を発揮しています。
1毛母細胞を活性化させる
毛髪は、毛根で毛母細胞が細胞分裂によって増え、育つことによって生えてきます。
毛母細胞が沢山細胞分裂すればするほどより強く太い毛髪が生えてくることになります。
この、毛母細胞の細胞分裂を促すのがこの効果に分類される成分です。
この効果を持つ成分
2毛母細胞の成長を助ける
この成分は、毛母細胞ができやすいように補ってあげる必要のある成分です。
これらは、成長因子(グロースファクター)とも呼ばれ、薄毛治療などにも取り入れられています。
成長因子は老化と共にその数が減少するため、育毛剤で補ってあげることが大切です。
この効果を持つ成分
3毛細血管の流れを良くする
毛細血管は毛母細胞が健康に成長するための栄養を送ってくれます。
この働きが加齢により鈍くなると、毛母細胞が合っても栄養が行き渡らず、薄く弱い毛髪に育ってしまいます。
毛髪はあるのに、薄く弱い毛になってしまっては薄毛に見えてしまいます。
そのため、血管を広くすることで毛細血管の血行促進をすることが大事なのです。
この効果を持つ成分
/ミノキシジル
防ぐ成分
この成分は、薄毛の原因である物質の生成を促す還元酵素「5-αリダクターゼ」の分泌量を抑える働きをします。
5-αリダクターゼは、脱毛を促す「悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン;DHT)」の生成に関わるため、
この分泌量が多いとこのホルモンもより作られやすくなってしまいます。
この効果を持つ成分
整える成分
毛活を成功させるためには、効果のある育毛剤を使うだけでなく、
その効果が発揮されるような頭皮環境を整えておくことも重要です。
これらの成分が含まれる育毛剤は、頭皮環境のことまでしっかりと考えられていると言えます。
ひとえに頭皮環境を整えると言っても、様々な整え方があります。
下記に、その整え方ごとの成分をまとめました!
1髪に栄養を与える成分
髪が成長するには、タンパク質や亜鉛などの栄養素が必要です。
しかし、普段の食事でこれらの栄養素を毎日十分に摂取するのは難しいですよね。
育毛剤にはこのような栄養素が入っており、毎日の食事の補助をしてくれる働きもあります。
※下記ボックスの「メチオニン」は、体内でタンパク質を生成するのに必要な必須アミノ酸です!
この効果を持つ成分
2皮脂の分泌を抑える成分
頭皮の悩みで最も分かりやすく、一番に気になるのが皮脂汚れ。
一日の終わりに頭皮がベタつく、かゆみがある、悪臭がする等の悩みがある方も多いのでは?
実は、頭皮には顔の約3倍もの皮脂腺があるため、しっかりと洗い、ケアしないとトラブルが起こりやすいのです。
皮脂の分泌量は加齢やシャンプーの洗い残し、逆に洗いすぎによる乾燥などで増え、それによって毛穴が詰まってしまうと毛髪の成長に悪影響を及ぼします。
ここでご紹介するのは、そのような皮脂の分泌量を抑えたり、酸化を防いで悪臭の発生を抑えたりする成分です。
この効果を持つ成分
3潤いを保つ成分
先程も少し述べたとおり、頭皮を洗いすぎて乾燥してしまうのもまた問題です。
育毛剤には、こうした乾燥を防いでくれる成分もしっかりと入っています。
シャンプーのし過ぎや体の冷えなどによって頭皮が乾燥すると、雑菌へのバリア機能低下・フケ・かゆみ・頭皮の炎症が起きやすくなります。
これらの頭皮トラブルが起きないよう、頭皮の潤いを保ってくれる成分がこちらです。
この効果を持つ成分
4皮膚の炎症を抑える成分
頭皮がかゆい、できものが出来てしまった等という時、皆さんの頭皮には炎症が起きています。
他にも、パーマやカラーなどの際に薬品が肌に合わず、炎症を起こしてしまうケースもあります。
このような炎症が発生すると、毛髪の成長が妨げられてしまう上、抜け毛も発生してしまいます。
炎症をできるだけ抑え、発生しても早く回復を促す成分をご紹介します。
この効果を持つ成分
5菌の繁殖を抑える成分
頭皮に栄養素を補う役割もある育毛剤ですが、それによって頭皮環境に悪影響な菌が増殖してしまってはいけません。
頭皮には元々約200種類の菌が存在し、頭皮を健康に保つ役割を持つものもあるため
全ての菌を取り除いてしてしまうのも好ましくありません。
ここでご紹介する成分は、適度な量以上に菌が増殖することを防いでくれる働きを持つものです。
この効果を持つ成分
6頭皮の老化を防ぐ成分
ヒトの体内では、肌の老化を引き起こす物質が生成されます。
歳をとったら、この物質が厄介に感じますが、私たちはこの物質のおかげでここまで成長してきました。
ただし、ある一定まで成長したあとにこの分泌量が過剰であると、
正常な細胞を傷つけてしまい、その影響で毛髪が健康に成長することを妨げてしまうことがあります。
この物質の過度な生成の抑制と不必要分の除去に働く成分がこちらです。
この効果を持つ成分
その他の成分
ここまで、有効成分の解説をしてきました。
いかがでしたか?
育毛剤にはこれほどまでに沢山の数と役割のある有効成分が入っているんです。
一方で育毛剤には、直接育毛に関わる効果があるわけではないけれど、配合されている成分があります。
これらは本体パッケージに明確に記載されていることも少ないため、
ここからご紹介するものを読んで気になるものがあれば、一度商品HPなどで詳しくチェックしてみましょう!
「その他の成分」の中には水や一般的に副作用のない天然成分も含まれており、詳しく解説するとキリがありませんが、
中には個々人の体質等によって注意が必要な成分も含まれています。
例えば、l-メントール(メントール)という成分は副作用の比較的少なく、ハッカなどの植物に含まれる天然成分です。
これ自体に育毛の効果があるわけではないですが、特に夏場などの汗をかきやすい時期に
この成分が含まれる育毛剤を使用することで清涼感を感じられ、過度な皮脂分泌を抑えられる可能性があります。
他にも商品によってさまざまな成分が含まれていますが、
「その他の成分」の中でも特に入っていると注意が必要なものを最後にご紹介したいと思います!
これらは添加物と呼ばれ、きちんと把握しておかなければ副作用が出てしまい毛活の逆効果になる恐れがあります。
以下を参考に、育毛剤と自分の体質をよく照らし合わせてみましょう!
注意が必要な成分
エタノール・無水エタノール
育毛剤には、商品の老化を防いだり、成分を混ぜ合わせたりといった目的でこれらのアルコール成分が含まれています。
体質的にアルコールアレルギーな方や、乾燥肌の方はこの成分によってトラブルが起きる可能性があります。
その場合は「ノンアルコール」「低アルコール処方」といった記載のある育毛剤を選ぶと良いでしょう。
とろみ成分
商品の中には、液質がとろみのあるものもありますよね。
頭皮に付ける際、水っぽすぎるよりは多少とろみのあるほうが、下に垂れることもなく付けやすいと思います。
しかし、これも添加物のおかげ。良い事ばかりではないことを知っておきましょう。
とろみ成分とは、ポリマーと呼ばれる添加物のことです。
ポリマーは皮膚に空いている穴を塞いでしまうという性質を持つため、
皮膚のバリア機能を持つ良い菌が住みづらい環境を作ってしまうという側面を持っています。
ポリマーにも種類があるため、気になる方は以下の物質を確認してみましょう。
この成分に注意!
タール系色素
育毛剤でも、商品の印象のためにこのような着色料が使われている場合があります。
タール系色素は石油から合成される着色料で、副作用としてかゆみ・かぶれ・色素沈着が起こる可能性があります。
タール系色素の記載方法は「○色■号」というパターンが決まっています。
例えば、赤色40号・黄色5号・橙色203号といったようなものがあります。
自分の育毛剤にこのような記載があり、気になる場合は一度調べてみると良いでしょう。
パラベン
パラベンは、製品が腐ることを防止する防腐剤として入っている添加物です。
腐ることを防ぐ、ということは雑菌の増殖を防ぐということです。
つまり、この成分が入っていることにより頭皮に必要な菌まで除去してしまい、皮膚に炎症が起こる可能性があります。
実は、多くの化粧品でかぶれの症状が起きるのは、このパラベンが原因であることがほとんどなようです。
特に肌の弱い方は「パラベンフリー」「防腐剤不使用」といった記載のある育毛剤を選ぶと良いでしょう。
パラベンの他にも防腐剤として入っている場合があるので、以下を参考に確認してみてください!
この成分に注意!
香料
香料は、育毛剤の原料のままの臭いの軽減する効果や、一般うけの良い香りで商品自体のイメージを上げる効果、
さらに防腐剤としての効果があるものもあり、多くの商品で入っていることが多いものです。
香料には以下のような種類があり、原料によって皮膚の炎症などのアレルギー反応が出る恐れがある物質です。
香りに惑わされず、こちらもきちんと確認しておきましょう。
主に植物から抽出した天然成分。原料の植物によってアレルギーが出る可能性がある。
●合成香料
香料としての主成分のみを抽出したもの、あるいは化学的に合成・処理したもの。
酸化防止剤
育毛剤が酸化する(錆びる)ことを防ぐために入っている添加物です。
こちらは以前、人工的に合成されたものが健康被害を引き起こし問題となったため、
現在ではそのような被害の心配がない植物由来のものが使用されています。
念のため、以下を参考にチェックしておくと良いでしょう。
dl-α-トコフェロール/酢酸dl-α-トコフェロール
●植物由来の酸化防止剤
トコフェロール/クエン酸
界面活性剤
界面活性剤と言えば、有名なのが石鹸ですよね。
これは水に溶けやすいものと、油に溶けやすいものをそれぞれ混ざりやすくする働きがあります。
石鹸のイメージにもあるように、洗浄力があり菌を殺菌するような効果もあります。
以下にご紹介する育毛剤に入っている界面活性剤は、比較的低刺激ものが使われているので基本的には問題ありませんが、
気になる方は参考にして正しく避けておきましょう。
この成分に注意!
まとめ
いかがでしたか?
育毛剤の成分の情報は大事なことなので、たくさん詳しく解説しました!
今回の内容をまとめると、
●有効成分には育毛効果が認められる成分があり、様々な役割のものがある。
●その他の成分には、体質などによって注意すべき成分が含まれている。
●必要な効果と自分の体質をよく考え、育毛剤を選ぶことが大切。
です!
この記事は、困ったときに辞書のように目を通すことでさらに理解が深まると思います。
皆さんの毛活ライフに是非役立ててくださいね!