タイ古式マッサージは、近年日本で注目を集めているリラクゼーションメニューです。ヨガや指圧、整体などを組み合わせたタイの伝統的なマッサージ法であり、かつては宮廷医療として王族の美容・健康維持に用いられてきました。そんなタイ古式マッサージの効果や注意点など、その魅力をたっぷり体感するのに役立つ情報をお届けします。
目次
タイ古式マッサージとは
タイ古式マッサージはもともと宮廷医療として発達したマッサージ法でした。その起源は2,500年前にまで遡ります。1980年頃からタイ政府が復興に力を入れたことにより、西洋医学の考えも取り入れられるように。さまざまな体勢を取って全身を動かす独自のストレッチが特徴です。呼吸に合わせてゆっくり施術を進めていくことで、リンパの流れを正常にしたり、骨盤を整えたりといった効果が期待できます。整体やヨガを組み合わせたマッサージと言われればイメージしやすいのではないでしょうか。
ちなみに日本ではリラクゼーションとしての位置づけになっていますが、タイ本国では1990年に医療行為として認められ、単なる民間療法ではなく正式な医療としての地位を獲得しました。現在はヘルスツーリズム(健康の維持・増進に繋がる観光)の中心的な役割も果たしており、観光的な文化価値も高まっています。日本からも観光でタイ古式マッサージを体験しに行く人が増加中です。
タイ古式マッサージの効果
施術の時間は長めです。多くの場合、120分かけてじっくり身体をほぐし、センを刺激して身体の調子を整えていきます。凝っている箇所や不調を感じる箇所だけでなく全身を丁寧にほぐしていくため、高いリラックス効果を得ることが可能です。凝り固まった筋肉を程よく緩められるので、肩や腕などの可動域が広がります。施術者が手のひらだけでなく腕や膝も使って圧をかけたり、ストレッチで全身を大きく動かしたりすることにより血液やリンパの流れが促進され、老廃物の排泄やむくみの解消といった効果も。
正式な医療行為として認められているタイ本国では、高血圧や冷え性、便秘、頭痛、月経不順、食欲不振などにも効果が期待できるとされており、60種類以上もの不調に対応しているそうです。日本で主に提供されている施術は医療行為ではないため、これほどの効果は期待できないかもしれませんが、美容や健康によい影響をもたらしてくれることは間違いないでしょう。
タイ古式マッサージで痛みを感じることは?
タイ古式マッサージを体験した多くの方は、痛みはほとんどなく気持ちよかったと答えています。呼吸に合わせて無理のない施術をゆったりと行うので、施術中にうとうとしてしまう方もいるほどです。身体のあちこちがぐーっと伸ばされていく感覚は、他のマッサージではなかなか味わえない心地よさ。すっきりとした爽快感さえ覚えます。
体内の巡りが悪い場合は刺激によって痛みを感じることもありますが、詰まりをしっかり流すことで施術後は痛みや違和感のない軽い身体へ。また、身体が硬いと不安に感じるかもしれませんが、タイ古式マッサージは身体の負担になるような施術ではありません。それぞれの可動域に合わせた施術をしてもらえるので、身体が硬くても気持ちよく受けられます。
施術後の揉み返しについても心配いりません。揉み返しは強すぎる力で圧をかけたり、無理な姿勢での施術をしたりすることで筋繊維が傷ついて起こる炎症です。ひどい場合は内出血を起こすことも。筋肉が余計に固くなり、患部に痛みが生じます。タイ古式マッサージでは、全身の筋肉を程よく伸ばしながら施術を進めていくので、揉み返しを起こすことなくすっきり軽い身体になります。
また、タイ古式マッサージの効果は身体に対してだけではありません。施術時には精神が安定し、心身共にリラックスできるので、巷では「世界一気持ちいいマッサージ」ともいわれるほどです。不調をそのまま放っておいてもつらいだけ。個人差はあるので施術中に多少の痛みは感じるかもしれませんが、終わった後には痛みと無縁の軽やかな身体になれるはずです。
タイ古式マッサージを受けるうえでの注意点
風邪や怪我の心配はないか
怪我についても同様です。単なるコリや痛みであれば問題ありませんが、捻挫や打撲などの怪我をした状態で施術をすると逆効果になってしまいます。部分的なものであればセラピストが臨機応変に対応してくれるので、施術前にあらかじめ怪我の部位と程度を伝えておくことが大切です。
食後すぐの施術は避ける
食後にタイ古式マッサージを受ける場合は、最低でも30分は時間を空けるようにしましょう。なお、消化に時間がかかる肉類や揚げ物を食べたときは、1時間ほど空けた方が無難です。
妊娠中か(妊娠の可能性はないか)
妊娠中はむくみやコリに悩まされやすい時期なので、タイ古式マッサージはよいことのように思えるかもしれません。しかし、身体の状態によっては母子ともに負担がかかり、流産する危険性もあるのです。実際、タイでは妊婦が足裏マッサージを受けて流産した後、死亡したという痛ましい事件も起こっています。
サロンによっては、妊娠中でも安定期に入っていれば限定的な施術のみ行うという条件で予約を受けつけてくれるところもありますが、万が一のことを考えると妊娠中の施術は控えた方がよいでしょう。
参考:livedoorNEWS
生理中かどうか
生理が重い場合は、念のためスタッフに伝えておくことをおすすめします。身体の状態をヒアリングしたうえで、負担の少ない施術をしてくれるでしょう。
持病への影響はないか
また、ヘルニアや骨粗しょう症を患っている場合も注意が必要です。タイ古式マッサージのセラピストは、身体の状態を見ながら加減してくれますが、医師ではないので負担のない施術度合いの見極めは厳しいでしょう。
それから、高齢者の場合は持病がなくても注意しなければなりません。加齢により皮膚が弱くなることで内出血しやすくなるなどのリスクがあるからです。
たいていのサロンではセラピストが事前に施術可能な状態かどうかをカウンセリングしてくれますが、言わなければ分からないこともたくさんあります。少しでも不安がある方は、必ずサロンのスタッフや医師に相談してください。